2012年2月27日月曜日

DACユニバーサル

皆さんは外食へ行った際に洗っていないお箸が出てきたらどう思われますか? え"っ!と思うのが普通でしょう。口の中に入るものですから洗浄するのが当たり前だと思うのです。

しかし我々の業界で使われているタービンやコントラアングル等のハンドピースを患者さん毎に滅菌している歯科医院は、ある統計では15%以下という数値でした。アルコール綿で刷掃しているから大丈夫、と言われている先生は外食時において店員さんに使用済みのお箸を出されて、アルコールで拭いてあるから大丈夫!と言われて納得されるのでしょうか? 私は絶対に嫌です。ましてや治療後のハンドピースには唾液や削りカス・血液等が付着しているので、その汚染度はお箸の比じゃ有りません。

なので当院ではオートクレーブでハンドピースの滅菌を行っていたのですが、これだと患者さんの回転が早くなると滅菌が追いつかなくなって治療に不自由が出たり…と言う事が有りました。現在20本強のハンドピースの本数を更に増やして滅菌サイクルに余裕を持たせる事も考えたのですが、内部洗浄の問題も有り、シロナのDACユニバーサルというタービンやコントラアングル、小器具専用のオートクレーブを導入しました。

この機器の良い所は滅菌時間が驚きの12分という短さで、これだと当院のハンドピースの本数でも滅菌サイクルに余裕が出るほどです。そして外側だけで無く内部の洗浄と滅菌も同時に行ってくれるので、更に安全な治療を提供出来る事にもなります。また12分の滅菌タイムは外科手術中に器具を床に落とした等々の、急に再滅菌の必要性が出た場合でもロスタイムが今までより非常に少なく済むメリットも生んでくれています。

これ以外でも私は患者さん毎のグローブや紙コップ、エプロン、スリーウエイシリンジの先端チップの交換は当然行うべき事項と考えています。しかしこれらによりコストアップしても患者さんへ転嫁する事は保険治療の取り決めで出来ない事になっており、経費の事を考えるとアタマが痛い問題ですが、自分が受診したい治療体制を実践するには避けて通れない事項では有ります。このDACも三桁万円近い機器なのですが、インフェクションコントロール(感染予防対策)は裏方作業であるために使用しても患者さんの目に映りにくい&使用料を請求出来ないので殆ど自己満足の機器になっている等々、虚しさが漂ってしまうのが哀しいところです(笑

P・S
DACユニバーサルのランニングコスト低減について、こちらへ追記しました。