2011年10月29日土曜日

足グセ

私や患者さんを担当するスタッフは、その患者さんの治療が終了するまで

床に落とした器具は拾いませんし、状況によっては蹴ってその場から退かし

他のスタッフに拾って貰います。

この行為は医療業界での清潔域・不潔域という概念に沿った行動であり、

これは清潔域であるグローブをした手で不潔域の床に落ちた器具を拾うと、

その手は既に不潔域になり、その手で触れた物は全て不潔域になるという概念です。

この概念は日常生活では馴染みが薄く、落ちた器具は反射的に拾いたくなるのですが

不潔域を清潔域に変えるにはグローブの交換や滅菌のやり直し等々、時間的ロスに

繋がります。特に外科手術の際には手術部位をなるべく早く閉じたいため、

時間的ロスは痛手になります。

また手洗いコーナーの非接触センサー式の水栓、消毒室の水栓の吐水・止水操作を

足元で行うフットスイッチの設置、治療用ユニットの操作を足で行う為のフット

スイッチなど出来る限り手を触れずに操作出来る環境を整えているのも、その為です。



以前、病院の通信簿サイトを通じて『スタッフの足癖が悪い』とお叱りを

受けた事が有りますが、上記の様な意味合いが有っての行為という事を

御理解頂ければ幸いです。


P.S.
清潔・不潔の概念の更なる詳細についてこちらに追記しました。